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国立研究開発法人土木研究所
寒地土木研究所

防災地質チームの研究課題(平成31年度)

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主要研究
ゲリラ豪雨急激な融雪等へ対応する道路のり面・斜面の合理的な管理手法に関する研究

 急激な融雪による道路斜面災害により長期通行止めに至る災害が多発しており、人的被害の発生の懸念など安全・安心上の大きな課題となるとともに、交通機能確保の観点から課題となっています。
 本研究では、急激な融雪時における融雪量と道路斜面災害の発生形態、発生箇所、規模機構、道路交通機能への影響等との関係を明らかにするとともに、突発的な自然現象に対して道路通行の安全性を確保するための管理手法及び道路交通機能を確保するための点検手法・対策手法を提案することを目的としています。
 
・落石・岩盤崩壊対策手法に関する研究
 
 岩盤崩壊の発生により、人命に直接的に関わるとともに、道路網が寸断されるなど地域生活に大きな影響を与えています。また、岩盤崩壊は、豪雨・強風等の突発的な気象条件や地震等を誘因として発生しているが、それらとの時間的・量的相関も乏しいことから、事前通行規制が難しく、道路管理上の大きな問題となっています。
 本研究では、岩盤斜面の詳細形状や変状の大きい亀裂分布を明らかにし、崩壊した岩屑の到達範囲と体積等の規模推定手法を提案することを目的としています。
 
・地形の影響を考慮した土木構造物等の排水性向上技術に関する研究

 集中豪雨による過大な表面水や浸透水を誘因とした土工構造物の崩壊事例は依然として多く、崩壊の素因は盛土や切土のり面背後の集水地形、平滑な斜面等の地形による表面水の流れ方や、斜面堆積物の表面水の侵食や浸透水の浸透破壊抵抗性の違いにあると考えられ、集水地形や平滑な斜面等の地形を考慮した排水対策の強化が課題となっています。
 本研究では、集水地形や平滑な斜面における崩壊メカニズムの解明、表面水流量推定手法の提案を行い、道路の土工構造物等の排水対策を強化することを目的としています。

・建設発生土の適正利用に向けた環境安全性評価・対策手法に関する研究

 土壌汚染対策法の改正(H22.4施行)により、自然由来重金属等を含む土壌が規制の対象になり、法対象外である岩石ずりも自主的な対応を実施する事例が急増しています。また、自然由来重金属等を含む建設発生土は建設リサイクルの枠組みの外にあり、高額の費用をかけて処分するなど、時間的、費用的な面で事業執行上の大きな障害となっています。
 本研究では、自然由来重金属等を含む建設発生土に関する標準的な対応方法を構築し、発生土のタイプ・利用形態に応じたリスク評価方法や低コストな重金属汚染対策手法を提案することを目的としています。

萌芽研究
・蛇紋岩の形成過程に着目した岩盤性状分類に関する研究
 
 トンネル・岩盤等の掘削施工において特殊地山、特に蛇紋岩からなる地山について、従来の岩盤性状の調査・分類法に準じて調査・施工を実施しているにもかかわらず、トンネル切羽の崩壊、路盤隆起など、重大かつ長期に及ぶ対策が必要になることがあります。
 本研究では、岩盤性状に関わる問題が認められる蛇紋岩地山について、源岩の特徴、岩盤性状に関わる過去の変形や変質の履歴など、地質学手法を活用することで、蛇紋岩地山の岩盤性状の調査・分類法を新たに提案することを目的としています。

 
基盤研究
・トンネル漏水の水理地質点検手法に関する研究
 
 笹子トンネルの天井盤落下事故以来、新たなトンネル定期点検要領が策定され、その結果に基づく補修補強や必要な措置が講じられています。
 本研究では、矢板工法の山岳トンネルにおいて、トンネルの変状のひとつである漏水を対象として、比抵抗分布や地質状況をもとに、水理地質構造を統合的に解釈し、漏水変状の評価手法を提案することを目的としています。
 
・植物を利用した重金属類の浸出水浄化処理技術に関する研究
 
 土木事業で発生する建設発生土に含まれる自然由来重金属等については、リスク評価を取り入れた対策が行われつつありますが、事業中の仮置きズリから溶出する浸出水の重金属類浄化処理に多くの手間と経費を要しています。
 本研究では、植物の浄化機能を活用し、生育条件に応じた重金属類吸収蓄積効果の解明と重金属類を含む排水の浄化処理技術の開発を行うことを目的としています。
 
酸性水の自然自律型排水処理方法に関する研究

 海成堆積岩や変質した火山岩を含む地山でのトンネル建設工事では、トンネルからの湧水や仮置きしたずり等から酸性水が発生する場合があります。酸性水中に含まれる金属成分は、魚類の窒息死や植生の枯死などの環境問題を引き起こすことが懸念されています。
 本研究では、鉄酸化細菌を用いた金属成分の除去による自然自律型の排水処理技術を構築することを目的としています。


 

  防災地質チームは、斜面災害や環境汚染などの地質に起因するリスクから人々の暮らしを守るための技術、厳しい自然環境の下の社会資本の効率的な整備や維持管理を効率良く行うための技術に関する研究を行っています。

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