| 基盤研究 | |
| ・応力に起因した亀裂進展を配慮した岩盤斜面数値解析手法に関する研究(R8-R10) 大規模な岩盤崩壊が一度発生すると道路施設への被害や輸送ルートの分断が生じる等、その被害は甚大であり復旧覆工の長期化が余儀なくされます。こうした岩盤崩壊を未然に被害防止する上で適切な現地調査実施箇所や要注意となる点検範囲の特定や絞り込みにつながる亀裂等を含む岩盤の劣化・進展を三次元的に適切に表現できる数値解析手法の開発が求められています。そこで本研究では、三次元有限要素法によって岩盤斜面に見られる亀裂の進展が将来的に促進されるのか、また進展する場合、どのように進展していくのかを予測できる数値解析手法の開発を目指しています。本研究の成果により、亀裂進展を考慮した岩盤斜面数値解析手法を提案することが期待されます。 |
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| ・気候変動下における寒冷地の潜在的斜面災害要因に関する研究(R8-R9) 気候変動に伴う豪雨土砂災害が激甚化・頻発化していることを踏まえて、未然の被害防止・軽減対策への積極的な取り組みが求められています。降雨経験の少ない寒冷地の斜面において気候変動による降雨形態の変化による潜在的災害リスクを適切に評価した上で合理的対策を講じるためには、寒冷少雨環境で形成された斜面の地形・地質特性を踏まえ、その災害要因を明らかにする必要があります。そこで崩壊の素因となる斜面の土層を対象として研究に取り組み、将来的には地形地質条件を考慮した道路斜面の安定性評価及び警戒基準設定につなげることを目指しています。本研究の成果により、今後の気候変動下における道路斜面災害リスクの低減・道路交通の安全性向上に寄与することが期待されます。 |
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| ・先進ボーリングを解とする複合物理探査によるトンネル地質構造把握に 関する研究(R8-R10) トンネルの掘削施工では、事前の調査では把握できなかった巨大岩塊、脆弱部、膨張性地山など、想定外の地質不均質性に遭遇し、施工が遅延・中断する事例が発生しており、トンネル掘削における経済性及び安全性の課題となっています。そこで本研究では、トンネルの地質調査法として「種類・対象スケールの異なる物理探査結果を統合的に解析する手法」を適用することで、トンネル地山の地質構造・脆弱部区間を精度よく把握する手法の開発を目指しています。本研究の成果により、より安全かつ経済的なトンネル掘削の実現に貢献すると期待されます。 |
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| ・岩石の重金属溶出特性を把握する迅速試験法の開発(R8-R10) トンネル掘削等による発生土(岩石ずり)には、岩石由来の有害な重金属類(ヒ素・鉛等)を溶出するものがあり、溶出試験を実施し評価する必要があります。一方、現在の試験法は土壌を対象に設計されたものであるため、溶出試験を岩石用に改良する余地があると考えられます。そこで本研究では、既存溶出試験法の効率化と高機能化を目的に多様な岩石試料を対象により、短い試験時間で重金属類の溶出量と溶出形態の把握を可能とする新たな溶出試験方法の開発を試みます。本研究の成果により、重金属類の溶出評価の迅速化・効率化に繋がり、より安全かつ経済的な掘削施工の実現に貢献すると期待されます。 |
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防災地質チームの研究課題
防災地質チームは、斜面災害や環境汚染などの地質に起因するリスクから人々の暮らしを守るための技術、厳しい自然環境の下の社会資本の効率的な整備や維持管理を効率良く行うための技術に関する研究を行っています。
| 主要研究・重点研究 | ||
| ・急激な気象変化に伴う雪崩災害に対する道路管理の判断支援に関する研究(R4-R9) 近年、急激な気象変化に伴い厳冬期に大雨が降ることによって雪崩が発生しています。それに加えて、融雪や降雨により雪氷が土砂を伴って移動し、災害が発生することがあります。これらの災害はその要因も複合的であることから、発生の予測は現状では困難であり、道路管理者が被害防止の判断を的確に行うための危険箇所や危険度を把握・予測する技術開発が求められています。 本研究は、雪氷チームと共同で実施し、厳冬期の大雨や、急激な気温上昇による斜面積雪と積雪下の土砂の安定性評価手法と雪崩災害に対する道路管理の判断支援手法を開発することを目的としています。 |
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| ・落石危険斜面における効率的な調査手法と対策工の評価技術の開発(R4-R9) 落石・岩盤崩壊等の発生は、人命に直接的に関わるとともに、道路網が寸断されるなど地域生活に大きな影響を与えています。その対策として各種落石防護施設が設置されていますが、斜面の経年変化等により、これまで対策不要とされている自然斜面やのり面背後からの落石等の災害が発生しています。 そこで、防災地質チームでは、UAVを用いて、落石が発生する懸念がある斜面を広範囲に調査し、画像処理技術やAI解析等を用いて落石が発生した箇所や今後発生しそうな箇所を効率的に抽出する手法について研究しています。 また、研究分担として寒地構造チームでは、大きな作用力に対応した数値解析を活用した落石防護施設の設計手法について研究しています。 →寒地構造チームへ |
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| ・環境負荷対策が必要な発生土の安定性評価に関する研究(R4-R9) トンネル建設などで発生する一部の建設発生土には、ヒ素や鉛などの自然由来の重金属や酸性水を溶出するものがあり、適切な調査と対策が求められています。この自然由来重金属等含有土への対応としては、施工前の調査段階において対策の要否や対策レベルを適切に評価できることが理想的ですが、施工前の調査において同質の地質でも溶出濃度に大きなばらつきが認められ、施工中に対策要否を判断せざるを得ないケースがあることから、対策土量を多めに想定する必要があり、対策コストが高額となる傾向にあります。 そこで本研究では、自然由来重金属等を含有する発生土の有効利用の拡大と対策コスト・環境負荷の縮減を目的に、自然由来重金属等の発生源となる岩種や鉱物等の適切な評価・分類に基づく事前調査の高精度化と、実際の溶出現象を適切に評価可能な対策工のモニタリング法について、地質チームと共同で研究を実施しています。 |
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| 今中長期(R4-R9)に実施終了した研究 | |
| ・道路斜面における高密度3次元点群データを用いた点検手法に関する研究(R5-R7) 対策や管理上注意を要する斜面では「防災カルテ」が作成され、定期的な点検対象箇所となっています。従来のカルテ点検は手書きスケッチ及び写真を基にした目視点検のため、着目箇所以外では過去の点検結果との厳密な比較は難しく、斜面の崩壊等の見逃しのリスクがあります。点検範囲の変状を見逃さず、かつ効率的な点検を実施するためには、目視により定性的に行われている防災カルテ点検を、面的かつ定量的に実施する新たな評価及び診断技術の開発が必要です。 本研究では見逃しのない道路斜面の防災カルテ点検の実現を目的とし、デジタル技術を用いた3次元点群データによる効果的な点検手法の提案を行います。 ・植物繊維による重金属類を含む排水の浄化処理方法の実用化に関する研究(R5-R7) トンネルなどの工事では、掘削した土砂や岩石から有毒な重金属類を含む水が発生する場合があり、その処理方法が高額となる場合があることなど、多くの課題を抱えています。本研究では、植物繊維を活用した自然由来重金属類を含む水の浄化処理技術を開発し、環境および経済性を考慮した土木事業における実用化を目指しています。 |
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| ・蛇紋岩地山の地質調査手法に関する研究(R5-R7) 蛇紋岩とは、地下深部のマントルかんらん岩が低密度の含水鉱物(蛇紋石)に置き換わることで形成される岩石の総称です。蛇紋岩地山のトンネル掘削では、想定外の切羽の崩落や地山変状が発生するなど、難工事となることが多く、施工の安全性と建設コストの増加が課題となっています。本研究では、蛇紋岩の幅広い物性の特徴を、蛇紋岩化の度合いとと種類により定量的に分類し、その分類をもって蛇紋岩地山の物理探査結果を解釈することで、トンネル施工時に問題となる脆弱箇所を事前に推定する方法を検討します。本研究の進展により蛇紋岩地山の評価方法が提案されることで、蛇紋岩地山のトンネル掘削がより安全かつ経済的に実施できることが期待されます。 |
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| ・ハンドヘルド型分析装置を用いた地質試料の重金属溶出判定法に関する研究(R5-R7) 一部のトンネルでは、掘削土から自然由来の有害重金属元素が溶出することが知られています。現状では、採取試料を対象に短期の溶出試験が実施されていますが、時間と検査コストの問題から試験数量が制限されてしまい、トンネル地質に想定外の不均質性が出現した場合などで、判定漏れが生じる事例が散見されます。そこで本研究では、重金属の溶出をより簡便かつ迅速に判定する方法の開発として、ハンドヘルド型の化学分析装置を使った地質試料の重金属元素の分析法について研究を行っています。本研究の成果により、トンネル掘削現場において重金属溶出判定が、短時間かつ効率的に実施可能となること、また、多試料の分析が可能となることで、有害重金属の判定漏れの低減が期待されます。 |
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| ・トンネル漏水対策へのコンクリーション適用に関するに関する研究(R6-R7) トンネル内への漏水によって生じる覆工劣化への悪影響や路面凍結による車両走行の支障が問題として懸念されています。そのため、地山内の空隙を減らして漏水量を低減する地山改良法の開発が求められています。近年、他機関によって開発されたコンクリーション化技術は亀裂が多いことで透水性が高い岩盤に適用することで、亀裂中に難溶性塩を沈着させることで目詰まりまりを起こし、透水性の低い岩盤に変化させることができます。そこで本研究では、コンクリーション化技術の現場適用に向けた事前検討を行っています。本研究の成果により、新たなトンネル漏水対策手法の開発に取り組めるようになると期待されます。 |
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